影を殺せ!!

死ぬまで抜け出せない呪いもある

7.禍根

今回で過去の事もひととおり書き終える。

 

今でも克服できていないのが摂食障害だ。私の場合は摂食障害のうち過食嘔吐といってバカみたいな量を食べては全部吐くというもの。20歳くらいのころに合併症のような形で出現して以来である。

 

独り暮らしを始めてすぐの頃には過食嘔吐と拒食がすぎてBMIが13くらいまで落ちていたので、体がエヴァンゲリオン初号機でありサキエルだった。一人初陣。今は16くらいを維持していて、ぱっと見「摂食障害だな」という体型ではない。

 

美容にこだわる年齢にありがちな、痩せたいとかダイエットというよりは、本能の赴くままに食べ物を詰め込んで一気に吐き出した時の満足感みたいなものが琴線に触れたんだと思う。

 

食べ物をひたすら咀嚼している時は無心だし、自分の中にあるからっぽの部分が埋まるような感覚がある。(吐き出す癖に。)

 

過食嘔吐には当然厳しい意見がある。食品がもったいないし、作ってくれた人だって何も吐いて捨てるために作ったんじゃない。飢餓で死んでいく人も世界にいるのに一体どういうつもりなんだ。

 

分かっている。厳しい意見というか真っ当な意見だ。私自身もそう思っている。こんなことを繰り返している自分が情けないし、恥ずかしいし、最低だっていう事は理解している(つもり)なんです。それでも口に物を入れてしまえば、自制がきかなくてお腹が爆発しそうになるまで食べ続けてしまう。

 

根性論を推すわけではない。しかし断薬は苦しみながらでも止めることが出来た。過食だって「適切な量で止める」とか「吐くくらいなら水でも詰め込む」とか、代替方法があるように思う。

 

もう性的な暴行やDVが日常的に行われている訳ではない。少しずつかもしれないけれど人生の手綱を握れるようになっているはずだ。だからもう薬も必要ないし自分の意志で自分の行動を変えられると信じたい。自分の弱さ故の愚行なんて仕様も無さすぎる。

 

時間がどれほど残っているのだろうと考えればこそ、せめて理想像に近づけるように努力すべきではないのか。最期までカッコ悪いままの自分で、昔の出来事に足を引っ張られて文句を言いながら過ごす気なのか。

 

ぐるぐると考えてこそいるけれど「御高尚な事を考えちゃって。どうせ足掻いたってクズはクズのままだよ。最低な人間らしく好き勝手にしてぼろぼろになって死んじまえよ」なんて思ったりもする。

 

意識的ではないにせよ、過去の事を思い出すことで自分のよりどころというか、負のエネルギーを自分で生み出しては苦しんでいるのかもしれない。